〈事業の概要〉

　平成25 年から（公財）武蔵野生涯学習振興事業団が事前申込制の障害者スポーツ教室を開始しました。

　「障害のある方ももっと気軽に日常的にスポーツを！」という思いから、平成28 年より障害者スポーツの普及を目的とした意見交換会を開催しました。そこには福祉施設スタッフ、医療関係者、スポーツ推進委員、市のスポーツ担当部署と障害者福祉部署の職員など、分野を超えた方々が集い、それぞれが抱いている課題や解決方法をざっくばらんに話し合っています。

　縦割り行政により横断的な会議がなかなか持てないがどうしてこのような会議体が持てたのか、というご質問をいただくことがありますが、日頃から「市民生活は縦割りではない」と思っています。また、「福祉のまち武蔵野市」と言われているように、以前から地域の方々と市の職員が連携を取りやすい協力関係があり、環境が整っていました。また武蔵野市がちょうどよい規模感のコンパクトな市だったことも影響しているかもしれません。

　その意見交換会の中から「障害者のためのスポーツ広場」は生まれました。平成30 年3月から5 月にかけて4 回、市の職員とスポーツ推進委員が試行実施しました。平成31 年1 月から同事業団が引き継いで、平成31 年4 月に本格実施となりました。現在は、スポーツ推進委員や市のスポーツボランティアの方々がサポートに入っています。広場の開催時間内であれば、障害の種別に関係無く、好きな時間に来て、自由に身体を動かして好きな時間に帰ることができます。

〈現状について〉

　新型コロナウイルス感染症の影響により今年の3 月から広場はお休みしていますが、9月から再開したいと考えています。また、今年度から終了時間を1 時間延ばします。時間帯を延ばした理由として、以前から参加者や福祉施設の方々から「終了時間が早いと仕事や福祉施設終了後に利用することができない」「もっと利用したい」との声をいただいていました。

　私たちも、より多くの方に利用していただきたいという思いもあり、同事業団と検討のうえ、今年度から実施していく運びとなりました。

　障害のない方へのスポーツ振興はとてもよく耳にしますが、障害がある方へのスポーツ振興は少ない気がします。

　障害のない方はスポーツをするかしないかの選択を自分でできますが、障害のある方の中には、ご自身で判断、選択できない方もいらっしゃいます。また、周囲のアクションがないとスポーツをする場に行けない方も多いと思います。障害のある方を支える人達が「障害がある方も障害がない方と同じように身体を動かすこと（運動やスポーツ）が必要である」ことをしっかりと認識して、行動することが必要です。障害のある方のやりたいという気持ちを汲み取りつつ、支える側がサポートできるように働きかけたいと思います。

　まずは障害のある方も支える方々も気軽にスポーツをする場に来てもらい、一緒に楽しんでもらう、というのが一番ではないでしょうか。