障害者スポーツボランティアとは

2026.02.12公開
熱意のあるボランティアの参加で、現場の雰囲気も良好に
調布市福祉作業所等連絡会
佐田 友美さん

 「ボランティアを募集している」または「これから募集したい」団体の方に向けて、ボランティアのご協力を得て事業を運営している団体の活動内容やボランティアを受け入れる際のポイントなどをお伝えします。

 今回お話を伺った団体は、「調布市福祉作業所等連絡会」です。知的障害のある人を対象としたイベント「調布市障害者余暇活動支援事業“ほりで~ぷらん”」を主催する同団体、事業担当スタッフ・佐田 友美(さた ともみ)さんに、TOKYO 障スポ&サポートに登録した理由やボランティア募集で工夫している点、イベント開催時の様子などをお聞きしました。

「調布市障害者余暇活動支援事業“ほりで~ぷらん”」の活動内容をを教えてください。

 東京都調布市内にある福祉作業所等が連携し、知的障害のある人が継続的にスポーツや余暇活動を楽しめる機会を提供することを目的に、調布市にゆかりのあるスポーツクラブや団体などにご協力いただきながら、様々なスポーツイベントを企画・実施しています。ちなみに、2025年は「ボッチャ体験会」「ラグビー体験会」「東京2025デフリンピック バドミントン競技の試合観戦」「ダンス企画」などを実施しました。基本的には年6回の実施を目標としており、1回における参加者数は25~30名程度です。運営に関しては、ほりで~ぷらん実行委員会のスタッフに加え、各福祉作業所のスタッフやボランティアにもご協力いただいています。

ボランティアの皆さんにはどのような作業をお願いしていますか?

 基本的には知的障害のある参加者とペアになってもらい、参加者をサポートしながら運動プログラムを一緒に楽しんでいただいています。というのも、知的障害のある人の中には一緒に楽しんでくれる人がそばにいないと不安に感じるという人もいるので、ボランティアには盛り上げ役として積極的な声掛けなどをお願いしています。また、状況の変化によって不安が高まる参加者もいるため、安心して参加できるように基本はマンツーマン体制としています。

ボランティアの中には知的障害のある人のサポートに不慣れな方もいらっしゃると思いますが、どのように対応していますか?

 ほりで~ぷらんでは参加者とボランティアの情報を確認したうえで、手厚い支援が必要な人には、経験豊富なボランティアを事前にペアリングしています。今のところはそれがうまく回っているようで、知的障害のある人に初めて接するボランティアにも安心して関わっていただけています。もちろん、現場にはサポート経験の豊富なスタッフもいますので、対応に関して分からないことがあればその場で相談することもできます。

参加者とボランティアがペアを組む場合、多数のボランティアが必要だと思いますが、人手は足りていますか?

 以前は必要な人数が集まらないこともあったのですが、TOKYO 障スポ&サポート(以下「S&S」)をとおして広く募集をかけられるようになってからは、その心配がなくなりました。ちなみに、S&S以外にもスポーツや福祉を学んでいる大学や専門学校の学生がボランティアで参加してくださっています。

S&Sはどのようなきっかけで活用することになりましたか?

 各福祉作業所のスタッフの休暇を確保しつつ、事業を継続していくための方法として、S&Sを薦めていただいたのがきっかけです。

 初めて活用したのが2025年度の第一弾企画である「ボッチャ体験会」だったのですが、8名のボランティア募集に対して20名以上の方に申込みいただき、予想以上の反響があってとても驚きました。参加をお断りしなければならない人もいたので心苦しい部分もあったのですが、これまでの人集めの苦労が一気に解消されてとても安堵しました。

人手不足の解消以外に、S&Sを活用することで変化したことはありますか?

 S&Sをとおして参加された方は熱心な方が多い印象です。積極的に障害のある人と関わったり、道具などの準備を手伝ったりしてくださるので、非常に助かっています。とにかくムードメーカー的に明るく声掛けしてくださる方が多いので、スタッフ間のコミュニケーションも良くなった気がします。スタッフ同士が初対面だと緊張感からなかなか打ち解けた雰囲気にならないのですが、S&Sから参加された方々のおかげでその問題も解消されました。

 また、知的障害のある人の中には、普段接する方が家族や福祉作業所のスタッフに限られる方もおり、多種多様な人と出会う環境ができたことも結果として良かったのではないでしょうか。ちなみに、S&Sから参加される方は福祉現場の現役従事者も多く、安心してお任せできるのでとても助かっています。

S&Sの使用感や今後の活用についてお聞かせください。

 使用する中で特に難しいと感じたことはないです。募集時の入力項目でいくつか分からない点があったのですが、それもボランティアコーディネーターの方に直接電話で説明していただけたので、問題ありませんでした。

 今後は、どうしても人手が足りなくなったときにS&Sを利用させていただきたいと思っています。これまでS&Sをとおして参加された大多数の方が、直接応募できる専用のチャットアカウントに登録してくださっているので、そこからのリピート応募で人手がまかなえているからです。ただ、今後はイベントの規模を拡大する可能性もありますので、その際には確実にS&Sでの募集が必要になると思います。

S&Sを利用してボランティアを募集してみたいという団体の皆さんに対してメッセージをお願いします。

 ボランティアの人手不足は多くの団体が抱えている問題だと思いますが、S&Sを活用すればそれが解消されると思います。私たちの場合も、「今まで苦しんできたのは何だったんだろう?」と拍子抜けするくらいあっさりと解消されました。

 そういった実利的なメリットに加え、スタッフの負担を軽減できるという利点もあると思います。実際、私たちも「S&Sがあれば大丈夫」という安心感を得ることができました。スタッフが安心して事業に取り組むことができるという意味でもS&Sへの登録をお勧めします。

【インタビューを終えて】

 ボランティアに求める人物像について佐田さんへ伺ったところ、「知的障害のある人と同じ目線に立ってくださる人」という答えが返ってきました。というのも、ほりで~ぷらんでは参加者だけでなく、スタッフやボランティアを含めた全員が楽しめるイベントをモットーとしているそうで、そういう意味ではS&Sもスタッフの皆さんの負担を減らすことで、「楽しむ」という目的の達成に少しは貢献できたのではないでしょうか。昨今は知的障害のある人を対象としたイベントのニーズは高まる一方とのことでしたので、今後はぜひS&Sを活用しながら、ひとりでも多くの人に楽しい時間を届けていただきたいと思います。