様々な障害とスポーツ

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マーク:耳

【耳マーク】
聞こえが不自由なことを表す、国内で使用されているマークです。(一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)

聴覚障害は、まったく聞こえない、補聴器をつければ多少は聞こえる、片側の耳のみ聞こえない、聞こえにくいなど、それぞれに聞こえ方が違います。

コミュニケーションの配慮とポイント

外見から障害のあることがわかりにくいため、「話しかけても無視している」「人の話をちゃんと聞いていない」などの誤解を受けることがあります。また、クラクションや緊急放送が聞こえないため、緊急時にとっさの対応ができないので注意が必要です。

コミュニケーション方法を確認する

それぞれの聞こえ方によって、コミュニケーション方法は、音声・口話・読話・筆談・手話など様々です。どのような方法が良いかを、相手に確認することも重要です。

顔の見える位置でゆっくり話す

口元の動きや形を読み取って話の内容を理解する口話・読話の際は、口元の形や話しているときの表情がよく見えるようにしましょう。また、はっきり・ゆっくり話すことが大切です。「こ・ん・に・ち・は」のように一音ずつ区切るのではなく、「こんにちは/本日は/どんなご用ですか?」のように、言葉のまとまりで区切ると、伝わりやすくなります。

伝わりにくいときは、筆談やジェスチャーなども交える

相手の様子や反応をよく見て、その状況より、例えば「自宅の住所」を「自宅、あなたの家」のように言葉を変えたり、筆談やジェスチャーを加えるなど、視覚的に伝える工夫をしてみましょう。

筆談は短い文で、明確に

筆談を行う際は、日常的に使う漢字を使用して、文章は短く簡潔な表現にしましょう。ときには、記号などを用いたり、パソコンやスマートフォンの画面を使って、視覚的に理解しやすいように表現しましょう。

イメージ図:筆談
聴覚障害者の言葉遣いを汲み取る努力を

幼少時から重度の聴覚障害がある場合は、読み書きが苦手な人もいます。誤った言葉遣いだとしても、それにとらわれずに内容を汲み取るようにしましょう。

聴覚障害者が取り組むスポーツ

聴覚障害者の場合、マラソンなどの陸上競技、水泳、バレーボールやバスケットボール、卓球やバドミントンといった球技など、ほとんどのスポーツを健常者と一緒に行うことができます。

◎デフリンピック

オリンピック・パラリンピック同様に4年に一度開催される、聴覚障害者のための国際的なスポーツ大会です。

バレーボール
イメージ図:バレーボール

ルールは、 6人制バレーボールの公式ルールにしたがって行う。審判の笛の音、ボールをはじく音などが聞こえない状態でプレイをするため、審判はフラッグを使用したり、選手はフロアを足踏みして、その振動で他選手に合図をする。

陸上
イメージ図:陸上

基本的なルールは、健常者の場合と同様で行われる。ホイッスルなど音による情報伝達が行えないため、文字カードやジェスチャー、シグナルサイン、点滅するライトを使用したシステムなどが使用される。

卓球
イメージ図:卓球

基本的には一般のルールと同様に行われる。判定などについては審判のジェスチャーで判断する。

聴覚障害者と共にスポーツを楽しむために

イメージ図:人工内耳

障害の程度により、補聴器や人工内耳※をつけている場合があります。聞こえ方にはそれぞれ違いがありますので、情報を伝える際には、目で見て情報がわかるようにしていくと良いでしょう。

※人工内耳

直接神経を刺激して脳へ電気信号を送る装置です。手術により体内に埋め込む「インプラント」と、体外に装着する「サウンドプロセッサ」の2つのタイプがあります。

何でも一緒に楽しんで

聴覚障害を理由として禁止されている事項は、特にありません。スポーツについての説明は目で見える形で伝えて、一緒にやってみましょう。ただし、補聴器や人工内耳は破損する可能性もあるため、水や汗、衝突などには注意が必要です。

「目が回る」状態には気をつけて

耳の重要な機能の一つでバランスをとる役目をしている三半規管に障害があったり、メニエール病※を患っている人は、めまいなどを起こしやすかったりするので、トランポリンなどバランス感覚を要するスポーツのときは注意が必要です。

※メニエール病

内耳を満たしている内リンパ液の過剰が原因で内リンパ水腫となり、めまいや難聴、耳鳴りを伴う病気です。

音声情報を「見える」状況にしてコミュニケーションを

コミュニケーションをとる際に、相手の伝えたいことが理解できているか、こちらの伝えていることが理解されているかを一つひとつ確認することが大切です。上手く意思疎通を図ることができれば、一緒にスポーツを安全に楽しめるようになります。

【出典元】スポーツTOKYOインフォメーション(障害者のスポーツ施設利用促進マニュアルWEB教材)